琵琶博 人工育雛 初成功

県立琵琶湖博物館(草津市)は、県鳥に指定されているカイツブリの卵を
カイツブリの人工育雛は多摩動物公園(東京)で2013年に成功しており、同園に教わるなどしながら挑戦した。同博物館には雄しかいなかったため、井の頭自然文化園(同)から卵三つを譲り受けて孵卵器で管理。8月10~11日に3羽のヒナが誕生した。
カイツブリは水鳥で、ヒナは孵化早々に水に潜り、親鳥の背中によじ登って親の体温で暖を取りながら成長する。同博物館ではその環境に似せるため、池や陸を設けた手作りのケースで3羽を一緒に飼育。パネルヒーターや電球などでケースを保温し、「ピヨピヨ」と鳴くヒナに、親がくちばしで与える姿を模して、太めのピンセットで角度を調整しながら幼虫や魚の切り身などを与えてきた。
ヒナは自然界では30~40日で巣立つ。同博物館のヒナもほぼ成鳥の大きさとなったため、より広い環境を整えようと、10月20日に3羽をヒドリガモやユリカモメ、カルガモがいる同コーナーに移した。
カイツブリは縄張り意識が強く、成鳥になるとペア以外の同居は難しい。当初からいた成鳥はバックヤードに移しており、複数を一緒に見られる期間は今だけという。担当の松岡由子・主任学芸員は「まだあどけなさが残っていて、かわいい。頭から首にしま模様が残るのも幼鳥の特徴。今だけの幼鳥同士の関わりを見てほしい」と話している。
問い合わせは同博物館(077・568・4811)。