お問い合わせ 購読のお申し込み 販売店検索

長浜バイオ大研究 世界で「金」 岐阜大と

長浜バイオ大研究 世界で「金」 岐阜大と

 長浜バイオ大の学生らでつくる研究チームが、10月にフランスで開かれた合成生物学の世界大会「iGEM(アイジェム)」で、青果物の鮮度が可視化できる抗菌スプレーの研究結果を発表し、出場した約420チームの中で最高評価の金メダルを獲得した。同大学の金メダルは2015年以来10年ぶりの快挙という。(清家俊生)

長浜バイオ大研究 世界で「金」 岐阜大と
合成生物学の世界大会で金メダルを獲得した長浜バイオ大のメンバーら(長浜市で)

 研究チームは、同大学のほか、岐阜大(岐阜市)など計約40人の学生で構成する「iGEM sci―net(サイネット)」。アイジェムは世界最大級の学生科学大会で、合成生物学を活用して社会課題を解決する研究の内容や実用性を競う。今年は10月28~31日にパリで行われ、日本からは7チームが出場した。

 大会に出場するに当たって、300万円を超える研究費や渡航費を賄うためにクラウドファンディング(CF)を実施。集まった約22万円を資金の一部に充てた。

 チームは大会の4か月前まで、自然由来のバクテリアセルロースを使用した食品 梱包こんぽう 材の開発に挑戦していたが、過去に類似した研究があったことから、急きょ研究を変更。乳酸菌由来の抗菌性ペプチド「ナイシン」を使用したスプレー型の食品保護材の開発を進めた。

 ナイシンを使ったスプレーを青果物に散布すると、細菌の繁殖を抑制。熟した青果物から出るエチレンと反応することでブラックライトを当てると劣化した部分がわかるようになり、食べ頃を可視化することができる。こうした研究結果を基に、農林水産省や企業、農家などと意見交換。改良を重ねて大会に臨んだ。

 大会では、研究結果のほか、社会的意義などを10分間にまとめて英語で発表した後、審査員との質疑応答が行われた。その結果、研究内容だけでなく行政や企業などの意見を取り入れたことが評価されたとみられ、金メダルを獲得した。

 チームリーダーの長浜バイオ大3年赤羽一砂さん(21)は「世界の同世代の学生の研究を目の当たりにして、自分たちにはない発想を肌で感じることができた」。CFでの支援にも「温かい言葉もいただき、支援のおかげで最後まで研究することができた」と感謝する。

 同大2年教野愛結さん(19)は「寝る間を惜しんで、みんなと一緒に研究を続けてきた。実験は何度も失敗したけど、そこから学び、次に生かせたことが結果につながった」と喜ぶ。

 顧問の中村卓教授(53)は「メンバーの中には、将来、研究者を目指す学生もいる。大きな経験を誇らしく思い、今後の活躍を期待したい」と話している。

滋賀の最新ニュースと話題

関連記事

滋賀県読売会とは

滋賀県で発行部数No.1の読売新聞!
私たちは読売新聞の販売を通じて地域社会に貢献いたします。

新聞に関するお問い合わせは各販売店までご連絡してください。


各販売店とも通常10:00 ~ 17:00
※日祝定休日です。
詳細は各YCまでご連絡ください。


お問い合わせはこちら 滋賀県のYC紹介
RETURN TOP
タイトル タイトル