ユネスコ追加勧告 担い手育成 急務
無形文化遺産
国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の評価機関が「大津祭の
「無事に勧告されたと聞いてホッとしたが、祭りの継承に向けてここからが本当のスタート」。保護団体として拡張登録に向けて奔走した「大津祭保存会」の古家弘巳会長(71)は表情を引き締めた。
大津祭は天孫神社(大津市京町)の祭礼で約400年の歴史があり、毎年10月に
大津祭で使う曳山や見送り幕などの懸装品は、江戸期から大小様々な修理を重ねながら引き継がれており、修復を計画的に進めようと2014年に同保存会が設立された。毎年各町の関係者から修理について様々な相談を受けているといい、10年単位で将来を見据えながら文化庁と修理計画について協議を重ねている。
一方で、近年は祭りの継承が課題となっている。16年に国の重要無形民俗文化財に指定されたが、少子高齢化や社会情勢の変化とともに祭りの担い手が減少。各町とも若い世代の育成が急務で、大津祭の運営を支援するNPO法人「大津祭曳山連盟」などが公式インスタグラム(@otsu_matsuri)を開設して情報発信の強化などを進めている。
「全13基の曳山にからくりがあり、それが江戸期からずっと残っているのは奇跡的なこと」と古家会長。「伝統を守るため、若い世代に祭りのことを改めて伝えていこうとしていた中での勧告で、これを機に機運を高めていければ」と力を込める。
文化庁によると、ユネスコ無形文化遺産「山・
