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大津祭 伝統継承へ弾み

大津祭 伝統継承へ弾み

ユネスコ追加勧告 担い手育成 急務

無形文化遺産

大津祭 伝統継承へ弾み
勧告を受け、決意を語る大津祭保存会の古家会長(大津市で)

 国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の評価機関が「大津祭の 曳山ひきやま 行事」(大津市)を無形文化遺産に追加する「拡張登録」を勧告した11日、大津祭の関係者らからは喜びの声が上がった。

 「無事に勧告されたと聞いてホッとしたが、祭りの継承に向けてここからが本当のスタート」。保護団体として拡張登録に向けて奔走した「大津祭保存会」の古家弘巳会長(71)は表情を引き締めた。

 大津祭は天孫神社(大津市京町)の祭礼で約400年の歴史があり、毎年10月に 宵宮よみや と本祭が開かれる。先に無形文化遺産に登録された「長浜曳山祭の曳山行事」(長浜市)とともに湖国三大祭りの一つに数えられ、13基の曳山が巡行しながら、故事や能楽などにまつわる意匠を凝らしたからくりを各所で披露する「 所望しょうもん 」が見所の一つで、毎年10万人以上の観客が集まる。

 大津祭で使う曳山や見送り幕などの懸装品は、江戸期から大小様々な修理を重ねながら引き継がれており、修復を計画的に進めようと2014年に同保存会が設立された。毎年各町の関係者から修理について様々な相談を受けているといい、10年単位で将来を見据えながら文化庁と修理計画について協議を重ねている。

 一方で、近年は祭りの継承が課題となっている。16年に国の重要無形民俗文化財に指定されたが、少子高齢化や社会情勢の変化とともに祭りの担い手が減少。各町とも若い世代の育成が急務で、大津祭の運営を支援するNPO法人「大津祭曳山連盟」などが公式インスタグラム(@otsu_matsuri)を開設して情報発信の強化などを進めている。

 「全13基の曳山にからくりがあり、それが江戸期からずっと残っているのは奇跡的なこと」と古家会長。「伝統を守るため、若い世代に祭りのことを改めて伝えていこうとしていた中での勧告で、これを機に機運を高めていければ」と力を込める。

 文化庁によると、ユネスコ無形文化遺産「山・ ほこ ・屋台行事」は、「京都祇園祭の山鉾行事」(京都府)など33件の祭りで構成されている。12月にインド・ニューデリーで開かれるユネスコ政府間委員会で大津祭の追加が正式に決まると、県内では長浜曳山祭に次いで2件目となる。同保存会などは、来年9月に市内で記念イベントを計画しているという。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 大津祭 伝統継承へ弾み

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