近江八幡で講演 課題や災害備え
「防災の日」(9月1日)を前に、近江八幡市などは31日、防災総合訓練の一環として講演会「災害の教訓から学ぶ 地域の防災力~誰一人取り残さない防災をめざして~」を市内で開催した。元県警警察官で、市在住の防災アドバイザー中村準一さん(69)が被災地から見た課題や災害への備えについて語り、約180人が聞き入った。

防災士で防災教育にも携わる中村さんは、阪神大震災や東日本大震災、能登半島地震でボランティアなどで活動した経験を紹介し、「阪神大震災では家具が固定されておらず、避難の妨げになった」と家具固定の重要性を力説。能登半島地震では住民がビニールハウスで避難を続けた例を挙げ、「見知った人同士なら頑張れる。最後に支えるのは人の心だ」と住民のつながりの大切さを指摘した。
また、避難訓練や災害弱者を把握する個別避難計画の必要性や、ハザードマップで危険箇所を避けた避難路の確認、公衆電話での災害用伝言ダイヤル「171」の体験などの重要性も強調。県内には琵琶湖を囲むように断層が存在しており、「防災対策は、いかに足元で何事が起きるかを想像できるかだ。臆病になって対策して」と訴えかけた。
[紹介元] YOMIURI ONLINE 防災力 教訓から学ぶ