守山 ルシオール弓道クラブ
中学生練習 競技の裾野広く
守山市民運動公園内の弓道場で、
クラブは2年前、同公園の指定管理者「市文化体育振興事業団」が市弓道連盟から講師を迎え、中学生6人でスタート。3年目の今年は、12人の応募があり、抽選で入部した7人を含めて1~3年生の計12人が活動している。指定管理者にとって安定経営は課題で、事業団の小寺英行係長は「野球やサッカーは地域にもうたくさんのクラブがある。弓道場を生かすためにも弓道に焦点を当てた」と狙いを語る。
県弓道連盟によると、県内の高校では19校に弓道部があり、約900人の部員がいる。ただ、高校から弓道を始める部員がほとんどを占めるといい、裾野を広げる意味でもクラブへの期待は大きい。
講師を務める中西八重子さん(60)は「的に当てるだけではなく、きちんとした作法を身につけ、後輩に教えられるようになってほしい」と、人間形成の面に重きを置いている。掃除や道具の用意だけではなく、弓道教室では大人が行う的の張り替えなども部員の役割。「保護者から『子どもが自分から話すようになった』と言ってもらえることもある」と手応えを口にする。
市立守山南中3年の女子生徒(15)は、中学では美術部に所属しており、「運動することがなかったので、中学で募集チラシをもらって、ここに入りたいと親にお願いした」。あいさつや礼儀が身につき、姿勢がよくなったと実感しているという。
今年は男子部員も3人加わった。県立守山中1年の男子生徒(13)は「人として成長できる武道に興味があった。射るまでにたくさんの順番があり、ただ当てるだけでないのが魅力」という。中学では陸上部で「静と動。正反対なのが楽しい」と話す。
クラブは8月16、17日に東京・明治神宮で行われた全国中学生大会に2年連続で代表を送り出し、寺師さんら3人が女子団体の部に出場した。弓道部がある高校に進学したいという寺師さんは「いずれは教えられるようになりたい」ときっぱり。「三十三間堂の通し矢に出ること」と、京都の正月を彩る伝統行事で射ることが目標だ。
ルシオールは、フランス語で「ホタル」の意味。群舞するほど部員が集まれば、クラブの将来を明るく照らすだろう。