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野党共闘 大きな目で 

野党共闘 大きな目で 

参院選「滋賀方式」不発

川端達夫・元衆院副議長 「一緒に戦えば劇的に変わる」

野党共闘 大きな目で 

 過去最多の7人が争った参院選滋賀選挙区(改選定数1)では、立憲民主、国民民主両党が連合滋賀の仲介で候補者を一本化したが自民党の候補者に敗れ、「滋賀方式」とも呼ばれる労働団体と野党の共闘のあり方が問われる結果となった。今後はどうあるべきか。旧民主党政権で閣僚などを歴任した川端達夫・元衆院副議長(80)に聞いた。(聞き手・矢野彰)

 ――滋賀の参院選の結果をどう見ている。

 滋賀は投票者の約7割は自公政権にノー(※当選した自民候補の得票率は約3割)だったのに、自民が代表になった。候補者が多すぎた。

 ――2019年の参院選では自民現職を破った。

 立民、国民、社民、共産の4党で「野合ではいけない」と政策合意をし、国民県連が提案した(前知事の)嘉田由紀子さんを無所属として連合滋賀が推薦した。自民現職との事実上の一騎打ちに持ち込めたのが大きかった。

 ――今回は当初、立民と国民の双方が候補者調整せずに競合し、一本化の動きも鈍かった。

 今回は(双方の)党本部から候補者を立てるよう圧があり、日本維新の会も出た。一度決まった候補を降ろすのは大変。維新が訴えた予備選には国民が協力しなかった。候補者を取り下げた立民が一番懐が深いと感じる。

 昨年の衆院選滋賀1区に国民、立民は候補者を出さず、(維新が勝って)自民は県内で1議席減らした。立民と維新が競合した2区は共倒れだった。各党の思いがあるのは百も承知だが、「親分衆よ、もっと大きな目で見てくれよ」と思う。

 ――滋賀の野党共闘の経緯は。

 1974年の知事選で労働団体と社会、公明、民社、共産の4野党とが共闘し、武村正義知事を誕生させたのが始まり。その後の大津市長選や参院選で労働団体が政党をリードする形で「滋賀方式」として結果を出してきた。

 ――「滋賀方式」の今後は。

 今回は連合滋賀が本当に頑張ってくれた。国政で政党の立ち位置は違うが、滋賀では県議会などで立民、国民の議員らは同じ会派で、壁はない。一緒にやっていく土壌は十分にある。

 共闘には政策の一致、普段のコミュニケーションや信頼関係が欠かせない。選挙でだけ共闘して後はバラバラでは意味がない。世の中のため、野党はもう少し仲良くしてはと思う。

 ――自民は衆参両院で少数与党になった。

 野党は、議席を増やして「与党との交渉力が増えた」という政治をするのか、政権を取ろうとするのかが問われる。

 国民は「年収103万円の壁」を178万円にと訴えたが、価値観が違う自民にお願いしても実現はしないだろう。それなら自分たちで政権を取るしかない。その覚悟と迫力を見せてほしい。

 国民や立民、維新で憲法や安全保障、社会保障といった基本政策を話し合って「政権構想」をつくり、一緒に戦えば劇的に世の中が変わると思う。野党も政権に対する執念を持たなければ、自民党政権を倒すことはできないだろう。

  かわばた・たつお  近江八幡市出身。1970年京都大大学院工学研究科修了、東レに入社。労働組合役員を経て86年の衆院選で初当選し、10期務めた。旧民主党副代表や文部科学相、総務相などを歴任。2014~17年に衆院副議長も務め、同年の衆院選に出馬せず政界引退した。現在は日本武道館理事長。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 野党共闘 大きな目で 

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