変形性膝関節症
県立総合病院整形外科副部長 前田勉さん

今回は、高齢者に多い変形性膝関節症を取り上げる。膝をいたわり過ぎて外出などを控える人がいるが、筋力が低下して痛みが増すこともあるという。県立総合病院(守山市)の前田勉・整形外科副部長に、痛みを和らげるポイントや治療法などを聞いた。(香山優真)
――主な症状は。
膝関節は太ももの骨や、すねの骨、それぞれの関節部分を覆う軟骨、関節のかみ合わせをよくする半月板などで構成されます。そのうち軟骨や半月板が主に加齢によってすり減り、炎症で痛みが出る病気が変形性膝関節症です。
初期は冬の朝にベッドから立ち上がったり、長時間座った後に膝を伸ばしたりするなど、体温の低い状態での動き始めに膝痛が出ますが、膝が温まると痛みが弱まります。
――痛みを和らげるには。
軟骨の摩耗が進むのではと怖がって動くのをやめれば、膝を支える筋力が低下して関節が不安定になり、しばらく休んでから動くと、かえって痛みが強まることがあります。年齢が高ければ、活動量の低下により全身の筋力や生活機能まで衰えてしまうので、体力を維持することが重要です。
湿布や、つえを使ったり、お風呂で膝を温めたりして痛みを和らげながら、日常的に歩くなど無理のない範囲で体を動かし続けることを意識してください。
――受診の時期は。
膝痛で仕事やスポーツ、旅行などをあきらめるようになれば、整形外科クリニックで湿布や痛み止めの薬、膝のサポーターを処方してもらってください。多くは3か月から半年で痛みが改善します。しかし、改善しない人には、近年技術が大きく進歩している「人工膝関節置換術」などの手術が必要です。
置換術では、すり減った軟骨を人工関節と取り換えます。ゴルフやテニスなどのスポーツに復帰する人も少なくありません。
――県立総合病院の特徴は。
人工関節を入れる際に、患者さんの脚の形に合わせて設計図を考える「個別化手術」を行っています。脚をまっすぐな形に作り替える方法と異なり、変形性膝関節症になる前の脚の形に戻すので、膝が安定して動きやすくなると期待されます。さらに、術後の痛みを抑えながら無理のないリハビリを行うことで、入院期間を短縮できています。