県内で2025年に発生した交通事故による死者数が54人だったことが県警のまとめで分かった。前年比26人増となり、増加率は92・9%で全国ワーストだった。県警は「非常に深刻な事態。啓発や取り締まりを推進していく」と危機感を強めている。(東川直央)
県警交通企画課によると、25年の交通事故の発生件数は2774件で、24年(2803件)と比べてほぼ横ばい。重傷者数は約1割減の322人だった。
一方で、死者数は54人で、19年(57人)以来6年ぶりに50人超となり、統計を取り始めた1948年以降最も少なかった2024年(28人)の約2倍に。人口10万人あたりの死者数については3・85人となり、24年の1・99人から大幅に悪化。全国平均(2・06人)や、24年まで2年連続で最も多かった徳島県(2・77人)などを上回り、滋賀県警にこのデータが残る04年以降、初めて全国ワーストとなった。

死亡した人を年代別で見ると、約半数にあたる28人が65歳以上の高齢者だった。このうち15人が歩行者で、横断歩道のない道路を横断中に車にはねられるケースが多かった。
自動車乗車中の事故で亡くなったのは20人。うち11人がシートベルトを締めていなかった。県警は、事故の状況から6人はシートベルトを着用していれば助かった可能性があるとしている。
日本自動車連盟(JAF)と警察庁が24年に行った調査によると、県内の一般道におけるシートベルト着用率は助手席の95・9%に対し、後部座席は46・9%だった。後部座席で着用していないと、事故の衝撃で前方の座席やドアに頭をぶつけたり、車外に放り出されたりする恐れがあり、命を落とす可能性も高くなる。
昨年10月には、彦根市堀町の市道で軽自動車が電柱に衝突し、後部座席にいた1人が車外に投げ出されるなどして計2人が死亡する事故があった。シートベルトを締めていなかったとみられる。
県警交通指導課の片岡朋司次席は「他人が運転する車に乗るということは命を預けるということ」と指摘。「思わぬタイミングで事故は起きるので、車に乗る時は必ずシートベルトを締めてほしい」と訴える。
県警は交通死亡事故を減らすため、ドライバーに横断歩道における歩行者優先、歩行者には渡る際に手を上げて意思表示をするよう啓発する「横断歩道利用者ファースト運動」などの取り組みを、引き続き推進していくとしている。
同運動は19年度から実施しているが、県警交通企画課の西沢一総括管理官は「まだまだ県民に浸透していない。より一層の広報活動や交通安全教室での呼びかけをしていきたい」としている。