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自然共生サイト 3か所追加 

自然共生サイト 3か所追加 

「ラ コリーナ」など 環境省認定

計16か所に 県「横のつながり 広げたい」

自然共生サイト 3か所追加 
貴重な生物が生息する「上山町神明ともいきの里山」(東近江市で)

 民間の手で生物多様性が守られている地域を環境省が認定する「自然共生サイト」に、県内で近江八幡市の商業施設「ラ コリーナ近江八幡」と守山市のビオトープ「もりビオ」、東近江市上山町の住民らでつくる「上山町神明ともいきの里山」が新たに選ばれた。これで県内の認定数は計16か所。各地でサイトが生まれているため、県は団体同士の横のつながりも広げたいとしている。(角川哲朗)

■生物多様性保全

 自然共生サイトは、生物多様性の保全地域を拡大するため、同省が2023年度から始めた。企業や民間団体・自治体などの活動で保全されている場所が対象。今年4月には、この取り組みを法制化した「地域生物多様性増進法」が施行されており、今回認定された3か所を含め全国のサイト数は計448か所にのぼる。

 「ラ コリーナ」は「自然に学ぶ」を基本理念に15年にオープン。敷地内には草屋根で覆われた店舗などがあり、田んぼや畑が広がる7ヘクタールが認定された。運営する和菓子製造販売「たねや」によると、敷地内では森作りや無農薬・無化学肥料による稲作が行われ、生き物の観察会なども定期的に開かれる。

 認定にあたっては「敷地内で管理する山野草を通じた近江の自然の発信や地域の伝統文化の継承への取り組み」が評価されたという。

 田植えや稲刈り、近くにある琵琶湖の内湖「西の湖」でのヨシ刈りといった体験イベントも続けており、たねやの担当者は「身近な自然や敷地内外に息づく生き物を日常の中で感じられるエリアとなるよう、これからも地域や自然とともに活動していきたい」としている。

 「もりビオ」は旭化成守山製造所が21年、敷地内に設置した。同製造所が地下水を工業用水として利用することから、農業用水や水辺の生き物の生存にも欠かせない「水」に着目。絶滅危惧IA類の淡水魚「ハリヨ」やトンボの観察会などを地域住民らを対象に定期開催している。

 「上山町神明ともいきの里山」については、東近江市上山町の約3・5ヘクタールが認定された。区域内に残る2か所のため池には、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧IB類に指定されている「カワバタモロコ」など貴重な生物が多く確認されている。そのため、地元の有志や自治会などが保護活動を始めた。

 今後、ため池の手入れや調査などが行われる予定で、「上山町神明里山ともいきの会」の山本享志さん(57)は「里山を守るためのルール作りを進める。地域住民が高齢化する中、『オール集落』で守るモデルケースを目指したい」と意気込む。

■情報共有

 県内の各団体の活動が活発になってきたことから、県は今年8月、16か所のサイトを核に、企業や団体、大学、行政機関などが情報共有する「しがネイチャーポジティブネットワーク」を設立した。今後、意見交換会や現地見学などを通して横のつながりを広げていく計画だ。

 県自然環境保全課の担当者は「一過性の取り組みにするのではなく、横のつながりを広げて自然の保全・活用・行動に向けて積極的に取り組み、自然の再興に向け知見を深めていきたい」としている。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 自然共生サイト 3か所追加 

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