西山さん判決受け 県警 臨時署長会議
県警は11日、湖東記念病院(東近江市)で2003年に起きた入院患者の死亡を巡り、再審無罪が確定した元看護助手・西山美香さん(45)が国と県に賠償を求めた訴訟で、地裁が7月に県警の捜査の違法性を認める判決を出したことなどを受け、県警本部で臨時署長会議を開いた。
会議には、県公安委員長や県警本部の各部長、署長ら約70人が出席。池内久晃本部長は、今月5日に警察庁が東京都内で開いた臨時の全国警察本部長会議で、同訴訟の経緯も踏まえ、警察に対する信頼回復に向けた取り組みを強化するよう指示があったと説明。その上で、県警としては▽部下職員に対する警察のあるべき姿についての指導教養の再徹底▽
地裁判決は「取調官が不当な誘導、働きかけをして虚偽自白をさせた」と認定しており、池内本部長は「結論ありきの偏った捜査や誘導と捉えられる部分がないか、問題意識を持って取り調べの状況を確認してほしい」と署長らに求めた。また、判決では県警が意図的に証拠の一部を検察に送致していなかったと疑われるともしており、「作成した捜査書類を内容に重複がある、立証の役に立たないなどの独自の判断で送致しないことは許されない」と送致を徹底するよう指示した。
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三日月知事は11日の定例記者会見で、再審無罪が確定した西山さんに対面ではなく手紙で謝罪したことについて、「県が準備書面で心ない言葉を並べた経過もある。知事としてどう向き合うべきか、考えに考えた結果だ」と説明した。
手紙は5日に県幹部が届けた。三日月知事は「警察本部長が(対面で)やるということで、私は手紙で気持ちを届けた。気持ちの最大級の表現として直筆で書かせていただいた」とした。