初の改修CF 1000万円募る
彦根市は、世界遺産登録を目指す彦根城の改修費を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。財政が厳しい市は、彦根城にとって初のCFを実施することで老朽化する施設の現状を訴え、広く支援を求めたい考えだ。第1弾として、城の北東にある大名庭園「玄宮園」の木橋「
返礼 記名や文化財ツアー
玄宮園は1677年に彦根藩の4代藩主・井伊直興が作庭し、歴代藩主が改修を重ねてきた。園内は江戸時代にたたえられた琵琶湖周辺の景勝「瀬田の唐橋」(大津市)や「浮御堂」(同)などを縮景している。
今回改修する高橋は、井伊家の茶屋「
市は事業費に約3600万円を見積もり、うち約1800万円は国からの補助金を充てるとしている。しかし、彦根城では今後も各所で防災設備や石垣の積み直しなどの工事を予定しており、費用は総額15億円に上る見込み。財政難の現状では、高橋の架け替えを公費のみで賄うのが厳しく、CFの活用を決めた。
CFは1日から受け付けを開始し、期間は12月26日までで目標金額は1000万円。寄付額に応じて▽彦根城・玄宮園招待パス(1万円)▽橋の敷板部材に名前を書き入れ(5万円)▽井伊岳夫・市文化財課課長(井伊家18代当主)の文化財ツアー参加(100万円)――などの返礼品がある。
CFサイト「レディーフォー」の専用ページ(https://readyfor.jp/projects/hikonejo-zaiseinan2025)から申し込め、20日現在で440万円以上が寄せられている。市文化財課で直接寄付することもできる。
市は、今後行われる城内の改修工事についてもCFを検討しており、田島一成市長は「補修費用を募るのは心苦しいところもあるが、事業を成功させ、未来の架け橋となるよう協力してほしい」と話している。
問い合わせは同課(0749・26・5833)。