近江八幡で展示 安土城跡から出土
近江八幡市の県立安土城考古博物館で特別陳列「城郭出土の
伝本丸跡は織田信長の居住スペースや、天皇を迎えるための御殿ともいわれている。瓶は伝本丸跡の東端で埋められた状態で見つかった。水や酒、染料の藍を入れるための瓶なら埋めた状態は使いにくいため、同館の学芸員らは「信長か、天皇用の特別なトイレ」の可能性があると推測している。
笏谷石は、福井市足羽山山麓の笏谷地区で採れる緑色の火山
古墳時代は福井県北部の九頭竜川周辺などの古墳で石棺に用いられ、鎌倉時代以降は石仏、
安土城跡では大型の瓶のほか、天主台入り口の石段で切石が敷かれた状態で発見された。織田信長の伝記「信長公記」には、朝倉氏との戦いで越前を制圧した柴田勝家が「切石数百」を信長に献上したと記されており、入り口の切石もその一つとみられる。
朝倉氏と友好関係にあった浅井氏の居城の小谷城跡からも笏谷石の切石や越前焼のすり鉢が見つかっており、同館の担当者は「石や越前焼を通して、当時の人間関係や領土拡大に思いをはせてほしい」と話している。
展示は19日まで。月曜休館。問い合わせは同館(0748・46・2424)。