ハイジャンプス 前期1勝9敗
プロ野球独立リーグ「日本海リーグ」に滋賀を本拠地として今季から準加盟している球団「SHIGA HIJUMPS(滋賀ハイジャンプス)」が前期日程を終えた。1勝9敗と悔しい結果だったが、ホームでの集客は上々で、「愛される球団を滋賀に作りたい」という目標には着実に近づいており、後期は県民の応援を力に巻き返しを誓う。(東川直央)
マルシェや無料観戦 集客◎
ホーム2試合目で前期最終戦となった7日、カローラ滋賀はちまんスタジアム(近江八幡市)で富山GRNサンダーバーズ(富山)と対戦した。
序盤から追いかける苦しい展開となったが、2点差の八回から登板した田中涼投手(大津市出身)がチェンジアップで三振を奪うなど2イニングを無失点で乗り切ると、九回二死一、二塁と一打サヨナラの場面を作る。打席には、初勝利を飾った6月21日のホーム初戦で2本塁打を放った大橋優斗選手(彦根市出身)。球場の熱気は最高潮に達したが、2球目を内野ゴロに打ち取られて、4―6で試合終了。今季2勝目はかなわなかった。
この日は平日のナイターで観客は300人ほどを見込んでいたが、1083人が駆けつけた。土曜日にあった守山市民球場(守山市)でのホーム初戦には、リーグ史上最多となる4358人が来場。球団が「子どもがあふれる球場に」と、開催地の小中学校に試合のチラシを配ったり、球場横にキッチンカーを呼んでマルシェを開催したりしたのが奏功した。
7日に来場した近江八幡市立八幡小4年の男児(9)は「家から近くてすぐにプロの野球選手の試合を見に行けるのはうれしい」と笑顔だった。
試合を視察した同リーグの辻正紀・代表代理は「新規球団として過去例のないほどの集客力で客層も若い」と評価。ただ、ハイジャンプスのホーム試合は来季以降の本加盟に向けて現在は無料で観戦ができるようになっており、「無料試合からどのように有料化にするのか。今後の運営体制や経営面に注目したい」と付け加えた。
この勢いを維持するために不可欠なのが、チームの勝利だ。前期10試合は、33得点に対して75失点。投手力が課題で、「もっと打者と勝負できる投手になる」と田中投手。打率4割超と好調の大橋選手も「愛されるチームになるためにも、もっと勝ちにこだわらないといけない」と気を引き締めている。
後期日程は20日に始まり、8月15日からはマイネットスタジアム皇子山(大津市)で石川ミリオンスターズ(石川)と富山を相手にホーム試合が2日連続で行われることになっている。大八木大介・球団代表は「お祭りのような雰囲気の球場をつくる」と意気込み、選手兼任の日下部光監督(29)も「2日間で1万人に来てもらいたい。勝率5割を目標に、結果を残せるチームになる」と奮起する。
日本海リーグ 2023年に「日本独立リーグ野球機構」に加わったプロリーグで、石川、富山の2球団と滋賀ハイジャンプスが所属。今季は前後期で本加盟の石川、富山は各計40試合を行う。準加盟の滋賀ハイジャンプスは計20試合にとどまり、チームや個人の成績は参考記録となる。