宮本さん 一夜明け
20日投開票された参院選で、過去最多の新人7人が争った滋賀選挙区(改選定数1)は、自民党の宮本和宏さん(53)が、国民民主党の堀江明さん(38)らを抑えて初当選。与党(自民・公明)は参院で過半数割れに追い込まれたが、滋賀では自民が2019年の参院選で失った議席を奪還した。
確定得票 改選定数1 候7
当 202,850 宮本 和宏 53 自新《1》
□ 161,272 堀江 明 38 国新
□ 124,017 岡屋 京佑 32 維新
□ 119,207 中田 あい 46 参新
50,097 佐藤 耕平 43 共新
7,635 菅原 良雄 47 諸新
5,387 藤井 隆一 60 諸新
得票の前に□がある場合、法定得票(繰り上げ当選資格)を得たことを示す。年齢は投票日現在
激戦から一夜明けた21日午前10時頃、宮本さんは地元・守山市の事務所前を通る車に向かって手を振り、当選を報告。報道陣の取材に「身の引き締まる思い。県民の代表としてしっかり意見を国政に伝える」と抱負を語った。

選挙戦では、3期12年務めた守山市長としての実績などをアピール。自公安定政権の継続を訴えた。連日閣僚や党幹部が応援に入ったが、野党候補の追い上げで終盤には党内で「激戦区」に位置づけられ、石破首相も2度来県。県議らが団体へのあいさつ回りをするなど組織をフル稼働させ、最終的には2位の堀江さんに4万票以上の差をつけた。
ただ、22年の前回選では自民現職の得票率は5割を超えていたが、今回は3割にとどまった。宮本さんは「他の野党と合計すると負けている。自民党への批判票があったのは事実で、
堀江さんは敗戦確実となった20日夜、「力不足で期待に応えることができず本当に申し訳ない」と悔しさをにじませつつ、「人生で一番熱くなれた17日間だった」と振り返った。
滋賀選挙区では当初、候補者擁立で立憲民主党と国民が競合。連合滋賀の仲介で立民が擁立を取り下げ、国民、立民両県連と連合滋賀がスクラムを組んで戦う態勢ができたのは、公示の約2週間前だった。連合滋賀の関係者は「時間が足りなかった。あと1週間あれば結果は違っていた」と唇をかんだ。
滋賀は、選挙における労働団体と野党の共闘が全国に先駆けて成立した県で、その連携のあり方は「滋賀方式」とも呼ばれる。堀江さんは「何とか戦えたのは『滋賀方式』で奔走いただいた皆さんのおかげ」と感謝した。
無党派層が野党支持 出口調査
物価高対策 最重視45%
読売新聞社が20日に実施した参院選滋賀選挙区の出口調査では、初当選した自民党の宮本和宏さん(53)は自民支持層の76%を固めた一方、無党派層からの支持は野党候補に及ばず、「自民離れ」をうかがわせる結果となった。
宮本さんには、推薦を受けた公明党支持層の68%が投票したと回答。無党派層は17%にとどまった。
無党派層の投票先をみると、国民民主党の堀江明さん(38)が33%で最多。日本維新の会の岡屋京佑さん(32)が21%、参政党の中田あいさん(46)が20%でほぼ並んでいた。
候補者擁立を取りやめた立憲民主党の支持層が投票したと回答したのは、立民県連が支持を表明した堀江さんが44%で最も多かった。ただ、岡屋さんに20%、宮本さんにも15%が投票していた。
投票する際に重視したことは「物価高対策・経済政策」が45%で、次いで「年金・社会保障政策」が19%。「子ども政策・少子化対策」は13%、「外国人に関する政策」は6%だった。
比例選の投票先は全体では自民が19%と最多で、維新15%、国民と参政14%、立民9%などと続いた。
石破内閣については「支持する」が29%、「支持しない」が68%。物価高対策として消費税をどうするかの質問では「税率を引き下げるべき」が54%、「廃止すべき」も16%に及んだ。
投開票日当日の出口調査は、NHK、日本テレビ系列各局と共同で実施した。