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北部の人口減加速 深刻 

北部の人口減加速 深刻 

未踏の県政へ㊥

 大津市中心部から車で約1時間、山間部の盆地に高島市の朽木支所がある。目抜き通りに面した一等地だが、隣接する更地には「売物件」の看板が立っている。

北部の人口減加速 深刻 
3年前に廃業したスーパーの前で人口減少を心配する上山さん(高島市で)

 「銀行が撤退して何年も空き地のままです」。近くに住む農業上山基継さん(73)はそう話す。

 高島市は、平成の大合併で、当時の朽木村と安曇川、高島、今津、新旭、マキノの5町が一つになって2005年に誕生した。朽木支所はかつて村役場だった。合併時に5万6000人だった人口は4万4000人(今年5月末)と約20年で1万2000人減った。

 朽木地域の人口は1400人。進学や就職を機に転出する若者は少なくない。上山さんは「年に30~40人ずつ減っている」と言う。22ある自治会には、65歳以上の住民が占める高齢化率が「100%」のところもある。

 人口減と高齢化は地域の活力をそぐ。草刈りや清掃などの自治会活動の担い手は先細りしている。3年前には、60年以上親しまれた支所近くのスーパーが廃業した。買い物や通院の足に困る高齢者も増えている。

 誰もが安心して暮らせるようにと、地元有志は22年、「朽木地域住みよいまちづくり推進協議会」を作り、小中学生向けのキャンプや地元産米を食べるイベント、高齢者向けの弁当宅配事業に取り組んできた。

 協議会の会長を務める上山さんは気をもむ。「私も地元では『若手』だ。あと10年もすれば、成り立たなくなる集落も出てくる」

 県内の人口動向は、「南北格差」が顕著になっている。南部の草津市などは大阪・京都のベッドタウンとして人口増が続く一方、高島市や長浜市などの北部は減少傾向にある。県全体では全国でもまれな人口増加県だったが、25年の国勢調査(速報値)で139万2439人と、1960年以来65年ぶりに減少に転じた。JR東海道線沿線の草津、守山、栗東の南部3市の人口増を上回る勢いで、高島市などで人口減が加速した。転入が転出より多い傾向は続いており、少子高齢化の進行が要因とみられる。

表・県内19市町の人口の推移0710統滋賀
表・県内19市町の人口の推移0710統滋賀

 県は3年前、高島、長浜、米原3市を対象に「北の近江振興プロジェクト」を始めた。担当職員が長浜市に常駐し、移住者に加え、地域と関わる「関係人口」を5年間で計3000人増やす目標を掲げる。今年度からは担当職員を5人から16人に増員し、アート展で関係人口を増やす試みや、若者や女性に地域活性化に携わってもらう事業などを進めている。

 プロジェクトは2022年の前回知事選後に三日月知事が提唱した。今回の選挙戦で長浜市を訪れた知事は「移住者は700人、関係人口も含め3000人を超えた」と目標達成を強調した。ただ、国勢調査では、この5年で3市の人口は計1万684人減っている。

 知事も、北部での移住者や関係人口の増加のような「レガシー(遺産)」を、人口回復に「どのようにつないでいくかは大きな課題だ」と認める。

 縮む地域社会にどう向き合い、南北格差の処方箋をどう示すのか。リーダーの手腕が問われている。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 北部の人口減加速 深刻 

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