多賀の博物館 剥製に「履歴書」
自然豊かで約110もの鳥類が確認されている多賀町。一方で、窓ガラスへの衝突など人間社会との関わりで死んだ鳥も少なくない。そうしたちょっと訳ありな鳥の
事故死や保護 「声なき声聞いて」
同館は1999年のオープンで、近隣で見つかった化石や動植物などの標本を収蔵している。企画展では、交通事故など様々な理由で死んだ鳥を受け入れた際の記録をもとに、学芸員の阿部勇治さんが執筆した「履歴書」を剥製など84点とともに紹介している。
町長室に35年間にわたって置かれていた「クマタカ」の剥製の履歴書には、「多賀町の路上で死んでいたもよう」とある。職業は「森の狩人」で、特技は「カギヅメの一撃」。苦手なもの・コトは「風力発電所の風車・ダム開発」と、人間に
また、町長室の〈番人〉として「様々な出来事を見てきた」という設定も用意。短銃を毒ヘビに交ぜて密輸した暴力団員がヘビを放して騒動になった毒ヘビ事件(1980年)や、天然記念物になったアケボノゾウの全身骨格化石の発見(93年)といった町を代表するニュースにも触れている。
身近な存在のカラスも取り上げており、交通事故に遭い、保護されたものの死んだ「ハシブトガラス」、窓ガラスに激突死した「ハシボソガラス」の剥製を展示。多賀大社では「神のお使い」として、毎朝、本殿横の「
小笠原諸島で繁殖する「シロハラミズナギドリ」の剥製もある。98年に台風で迷い込んだ栗東市小柿で保護された個体で、「右目に
会場では、子どもたちも楽しめるように、本物の足跡から作った「あしあとスタンプ」クイズも開催。履歴書を読んで剥製を観察すると、正解にたどり着けるように工夫されている。「いずれも科学的知見に基づいたものばかり」と阿部さん。「いろんな年代の方に楽しんでもらい、鳥たちに思いをはせてほしい」と来館を呼びかけている。
9月7日まで。月曜と8月28日が休館。問い合わせは同館(0749・48・2077)。