ああ栄「館」は君に輝く 建築甲子園 古閑さん(安曇川高)優勝

住宅アイデア87作品頂点に 川端、葦 県文化取り入れ

 
20101213-217436-1-N.jpg  建築士を目指す高校生が建築のアイデアを競う「建築甲子園」(日本建築士会連合会など主催)が10月、初めて開催され、県立安曇川高1年の古閑愛美(こがめぐみ)さん(16)の作品が全国61校87作品の頂点に立ち、全国優勝した。東京で行われた審査では、湧き水を生活用水に利用する高島市の「川端(かばた)」や琵琶湖の葦(よし)を活用した家屋についての提案が、高く評価された。審査委員長を務めた東京芸術大の片山和俊名誉教授らが16日に来県し、同高で表彰式が行われる。

 〈建築士の卵〉に発表の場を用意し、励みにしてもらおうと、建築教育課程のある高校を対象に日本建築士会連合会が企画。初回は「地域のくらし」をテーマに、住まいについてA1判のボードにまとめさせた。

 古閑さんの提案の基本理念は「近所の人がワイワイ集まれる家」で、高島・針江地区の「川端」を応用。通常の川端の概念のほか、移築した古民家に湧き水を引き込んで室内に足湯やミニプールを設けるアイデアで、大人から子どもまでが楽しめる家を心掛けた。

 また、葦で作った葦簾(よしず)のシャッターやカーテン、葦葺(ぶ)き屋根を採用して葦の需要を高め、葦の群生保護につなげることで、環境にも配慮した。

 審査では「地元の生活文化をふんだんに盛り込んだ『古くて新しい』家屋で、その地域の暮らしの楽しさも伝わってくる」などと絶賛され、審査員4人から高い評価を得て優勝が決まったという。

 古閑さんは1級建築士を目指しており、今回の建築甲子園は夏休み返上で、同高の建築担当の太田明博教諭(39)の指導を受けた。「川端は、隣家や環境に配慮して水を汚さない素晴らしい様式。受賞は信じられないが、これからもコンペに作品を出し、優勝したい」と話している。

 川端

 安曇川(あどがわ)の伏流水を起源とする湧き水を生活用水などに利用するため、家庭に作られた洗い場や水場。飲料水用の「元池(もといけ)」、野菜や食器を洗う「壺池(つぼいけ)」、コイやマスを飼う「端池(はたいけ)」の3槽で構成され、コイやマスが残飯を食べてきれいにした水が水路に流される。

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