竜王アウトレットあす開業

環境意識し施設に工夫

20100706-268461-1-N.jpg 県内初のアウトレットモール「三井アウトレットパーク滋賀竜王」が8日、竜王町で開業する。名神高速道路の竜王インターチェンジ(IC)前に位置し、京阪神や北陸、東海など各地からの集客を見込んでいる。観光客の増加による地域経済の発展が期待される一方、交通集中による周辺地域の渋滞の懸念もあり、関係者は入念な対策を講じている。

 □ 期 待 ■ 

 オープンを前にした6日、報道陣に公開されたモール内。事業を展開する三井不動産にとっては全国で10番目となる施設だ。

 同社によると、店舗総数はファッションブランドや雑貨、飲食店など計165店舗。従来の人気ブランドだけでなく、若い女性に人気の婦人服「セシルマクビー」や婦人靴「エスペランサ」など、日本初出店も25店舗ある。市価の3~7割引きの商品が並ぶという。

 施設にも工夫を凝らした。近くの鏡山の稜線(りょうせん)を遮らないように設計された外観や、床や壁にアースカラーを取り込むなど、環境を意識したつくりになっている。

 現在、県内で最も年間観光客数が多いのは長浜市の黒壁スクエア(約190万人、2008年度)。同社は大幅に超える約400万人の来場者を見込んでいる。同社の斎藤敬義・関西支社長は「魅力あふれる施設として、訪れた人に必ず満足していただけるはず」と力を込めた。

 8日は午前9時35分から滋賀ふるさと観光大使のミュージシャン西川貴教さんらを招き、式典を開く。

 ■ 不 安 □

 地元が最も心配しているのが、渋滞による住民生活への影響だ。

 対策として、竜王町は2008年から国道477号の拡幅工事に着手。モールの出入り口付近に信号機のない左折専用レーンを新設し、停車することなく臨時駐車場へ車を流せるよう工夫した。

 県は、職員とその家族に対し、モールに行く際に当面は自家用車を使わず、できるだけ公共交通機関を使うよう求めた。

 三井不動産も、同社単独運営のモールとしては最多となる5000台分の駐車場を確保。JR野洲、近江八幡両駅から路線バスを新たに運行させ、混雑の分散をはかる。

 県警高速隊は、一般道の混雑で名神高速道路本線に車列が延びることを懸念し、週末を中心に栗東―八日市IC間のパトロールを強化。西日本高速道路会社(大阪市)も、竜王ICのETC(ノンストップ自動料金収受システム)対応のレーン数を出入り口ともに1レーンずつ増やした。

 竜王町の担当者は「開業が町の発展につながると期待する一方で、交通など周辺に影響が出ないようにしていきたい」としている。